排水処理とは、工場や事業所から出る水の汚れや有害物質を取り除く工程のことです。排水処理を行う工場では「薬品代がかさむ」「汚泥の産廃費用が減らない」「既存設備で基準値がクリアできない」といった課題を抱えていますが、適切な排水処理方法を選定し見直すことで、改善につなげられます。
このページでは、排水処理の代表的な6つの方法の処理能力や特徴を比較し整理しています。自社の排水課題に合った方法を検討するためのヒントとしてお役立てください。
排水に含まれる汚れの種類や工場の条件によって、選択すべき処理方法は異なります。6つの代表的な方法の処理能力や特徴、コストを比較しました。
| 処理能力 | 既存設備への後付け | 薬品使用 | 汚泥発生 | ランニングコスト | |
|---|---|---|---|---|---|
オゾン排水処理オゾンの強力な酸化力で、汚れの分子結合を直接破壊する方法です。微生物が分解できない難分解性物質の分解や、脱色・脱臭に特に効果を発揮します。凝集剤を使わないため汚泥が出ず、ランニングコストを削減できます。既存水槽への後付け設置が可能です。 |
|
○ | なし | なし | 低(電気代のみ) |
活性汚泥法排水中に空気を吹き込みながら、微生物に汚れ(有機物)を食べさせて分解する一般的な生物処理です。汚れを食べて増殖した微生物は汚泥として沈殿させ、綺麗になった上澄み液のみを放流します。広い設置スペースと、発生する余剰汚泥の産廃費用が必要になります。 |
|
× | 少量 | あり | 中(汚泥処分費) |
凝集沈殿法排水に凝集剤(薬品)を添加し、微細な汚れや重金属などをフロック(固まり)にして沈殿させる物理化学処理です。設備は比較的シンプルですが、多額の薬品コストと、薬品を含んだ大量の汚泥(産廃)が継続して発生します。 |
|
× | あり | あり | 高(薬品+汚泥) |
加圧浮上法凝集剤でまとめた汚れに微細な気泡を付着させ、水面に浮上させて掻き集める処理方法です。油分(ノルマルヘキサン)や沈みにくい汚れの除去に優れていますが、凝集沈殿法と同様に、多額の薬品代と浮上した汚泥の産廃コストがかかります。 |
|
× | あり | あり | 高(薬品+汚泥) |
膜分離活性汚泥法活性汚泥法(生物処理)の沈殿槽の代わりに、微細なフィルター(分離膜)を使って泥と処理水をろ過・分離する手法です。沈殿槽が不要なため省スペースで高水質を保てますが、膜の目詰まりを防ぐ定期的な薬液洗浄や膜の交換コストが発生します。 |
|
× | あり | 少ない | 中(膜交換費) |
活性炭吸着法活性炭の表面にある無数の微細な孔(穴)に、水中の汚れや色、臭いの成分を吸着させて取り除く処理です。難分解性の汚れにも有効ですが、吸着能力に限界(飽和)があるため、定期的な活性炭の入れ替えの費用がかかります。 |
|
× | あり | なし※ | 中〜高(炭交換費) |
※廃活性炭は発生します。
| 処理方法 | 導入費用 | ランニング コスト |
主なコスト要因 |
|---|---|---|---|
| 活性汚泥法 | 高 | 中 | 汚泥処分費:処理で発生する余剰汚泥の産廃処理費が継続的にかかる |
| 凝集沈殿法 | 中 | 高 | 薬品費+汚泥処分費:毎月の凝集剤コストに加え、薬品を含む汚泥の産廃処理費がかかる |
| 加圧浮上法 | 中 | 高 | 薬品費+汚泥処分費:薬品代と汚泥処分費が重なり、コストが高騰しやすい |
| 膜分離活性 汚泥法 |
高 | 中 | 膜交換費+薬液洗浄費:高価な分離膜の定期交換と、目詰まり防止の薬液洗浄コストが発生 |
| 活性炭吸着法 | 中 | 中~高 | 活性炭交換費:吸着が飽和するたびに活性炭の入れ替えが必要 |
| オゾン 排水処理 |
中 | 低 | 電気代:薬品・汚泥処分費が不要で、主な維持費は電気代のみ |
排水中に空気を吹き込み、微生物に汚れを食べさせて分解する生物処理です。汚れを取り込んだ微生物は汚泥として沈殿させ、上澄みの処理水を放流します。一般的な排水処理方法ですが、広い設置スペースが必要な点、発生する余剰汚泥の引き抜きと産廃処理費が継続的に発生するのがデメリットです。
排水に凝集剤を添加し、そのままでは沈殿しない細かな汚れをフロック(泥の塊)にして沈殿させる物理化学処理です。設備がシンプルで導入しやすい点はメリットですが、高い薬品コストと、薬品を含んだ大量の汚泥(産廃)が発生する点がデメリットとなります。
凝集剤で汚れをフロック化させた上で、微細な気泡を付着させて水面に浮上させ掻き集める処理方法です。油分や沈降しにくい汚れの除去に優れています。ただし、凝集沈殿法と同様に、多額の薬品代と汚泥の産廃コストがデメリットです。
活性汚泥法の処理工程にある沈殿槽を、微細なフィルター(膜)に置き換えて泥と処理水をろ過・分離する方法です。沈殿槽が不要なため省スペースで高い水質を保てる点がメリットですが、膜の目詰まりを防ぐための定期的な薬液洗浄や、膜の交換コストが高い点がデメリットになります。
活性炭の表面にある無数の微細な孔に、水中の汚れ・色・臭いの成分を吸着させて取り除く処理方法です。生物処理では難しい、難分解性の汚れにも有効な点が特徴。吸着能力には限界があるため、定期的に活性炭を入れ替える必要があり、その分維持費が嵩みやすくなります。
オゾンの酸化力で、汚れの分子結合を分解する処理方法です。微生物が分解できない難分解性物質や、脱色・脱臭に効果を発揮します。凝集剤が不要のため汚泥の引き抜きが不要になります。
従来のオゾン排水処理は、大型の専用水槽が必要になる、オゾンが排水に十分行き渡らず反応が進みにくいなどの課題がありましたが、近年では既存水槽へ後付けできる次世代システムが実用化され、省スペース・低コストで導入できるようになっています。
除去したい物質の種類と、現場での制約(設備・スペース・コスト)から自社に合った方法を絞り込めます。
活性汚泥法が選択肢になります。有機物の除去として一般的で、初期導入コストも比較的抑えやすい工法です。余剰汚泥の産廃処理は継続的に発生するため、長期的なランニングコストは別途試算しておく必要があります。
加圧浮上法が適しています。油分や浮遊物質に対して高い除去効果がありますが、薬品代や浮上汚泥の産廃処理費といったランニングコストが発生するため、費用面も含めた検討が必要です。
凝集沈殿法が適しています。重金属などの特定の対象物をフロック化して沈殿・除去できるのが強みですが、多額の薬品代と汚泥処理費がかかる点に注意が必要です。
膜分離活性汚泥法(MBR)が選択肢として挙げられます。フィルター(膜)で処理水と汚泥を分離するため沈殿槽が不要で、限られたスペースでの設置に向いていますが、フィルターの定期交換や薬液洗浄のコストも踏まえた上での検討が必要です。
設備の老朽化や排水の高濃度化が進むと、従来の工法では対応が難しくなることがあります。特に次のいずれかに該当する場合は、長期的な運用やコストの面から、工法そのものの見直しをした方がよい可能性があります。
こうした課題の解決策として、近年注目されているのが「オゾン排水処理」です。既存水槽をそのまま活用でき、薬品・汚泥が不要になることから、既存工法の課題を克服する選択肢として大規模施設への導入が進んでいます。
オゾン排水処理を、既存水槽のままで実現するのがOZAC(オーザック)の排水処理システムです。凝集剤を使わないため、薬品代・汚泥処分費を削減しながら、難分解性物質や高濃度の油分に対応できます。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
従来の活性汚泥法では、微生物を生かし続けるための曝気ブロワの連続運転による電気代に加え、有機物の分解過程で発生する余剰汚泥の定期的な引き抜きと産廃処理費が継続的に発生します。
また処理工程で微生物のバランスが崩れることで、バルキング(汚泥の沈降不良)が発生。処理水質の悪化や悪臭を引き起こします。薬品費や汚泥の産業廃棄物処理費が継続的に発生しやすく、長期運用における大きなコスト負担となります。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
OZACは、オゾンによる「強力な酸化分解」とバクテリアによる「生物分解」を組み合わせた排水処理システムです。
凝集剤を使わないため汚泥が出ず、薬品代・産廃処理費を抑えることができます。沈殿槽や加圧浮上装置といった追加設備も不要で、既存水槽にそのまま後付けが可能。マイクロナノバブル技術により少量のオゾンで高い処理効果が得られるため、ランニングコストは電気代のみに抑えられます。
OZACは、生物処理や物理化学処理では難しかった水質の改善が可能です。導入現場での実際の測定値を紹介します。
既存の設備では処理が難しかった高濃度のCODを大幅に低減した測定結果です。
| 測定項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| COD | 200 | 38.1 |
高濃度の有機物や油分を含む食品工場排水を、既存水槽を活かしたまま改善。BOD・COD・SS・n-Hexのいずれも大幅に数値が低下しています。
| 測定項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| BOD | 500 | 23 |
| COD | 100 | 17 |
| n-Hex | 220 | < 5 |
| SS | 540 | 16 |
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
OZACは、エンバイロ・ビジョンが提供するオゾン排水処理システムです。
特許技術のマイクロナノバブルを活用し、排水・洗浄設備の能力向上など多様な環境ニーズに応えるサービスを提供。稼働実績は全国20施設※(プラント)以上(2026年3月時点)にのぼります。
発電所・食品工場・化学工場をはじめとした、水質管理基準や導入審査が厳しい国内大手企業を中心に採用されています。
実際の排水を用いたサンプルテストに対応しています。処理後の水質は、外部機関による客観的な分析データとともにレポートとして確認できます。導入に向けた社内稟議や、技術的な比較・検討へお役立てください。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。