「オゾンによる排水処理は効果が出ない」「ランニングコストが見合わない」。過去にオゾン処理を検討し、そのような結論に至った方は多いかもしれません。しかし、特許技術である「マイクロナノバブル」の登場によって、そうした評価が変わりつつあります。
このページでは、オゾン排水処理システム「OZAC(オーザック)」の中核をなすオゾンマイクロナノバブル発生装置のメカニズムを解説。また活性炭含有担体を組み合わせた処理フロー、導入によって期待できる課題改善の効果についても取り上げます。
「オゾンは効かない」「コストがかかる」と言われる背景には、従来方式特有の課題がありました。その理由は以下の2点です。
従来のオゾン処理では、一般的な散気管(曝気装置)を用いて水中にオゾンガスを送り込んでいました。しかし、発生する気泡の浮力が強く、水中の汚れと接触して反応する前にオゾンが水面へ浮上。空気中へ逃げやすいという課題がありました。
空気中へ逃げてしまうオゾンガスのロスを補い、水中の汚れを分解するためには、大量のオゾンガスを連続して発生させる必要があります。その結果、オゾン発生装置にかかる電気代などのランニングコストが増大し、費用対効果が見合わないと判断されるケースが多く、実用化が難しい技術とされていました。
このオゾンが逃げてしまう課題を克服したのが、オゾンを極小の気泡に閉じ込める「オゾンマイクロナノバブル」です。
特許取得のYJノズルにより、オゾンガスを直径数10マイクロメートルから数100ナノメートルという極めて微細な気泡(マイクロナノバブル)として生成します。
数ミリサイズの気泡ではすぐに浮上してしまいますが、マイクロナノバブルは非常に小さいため、水中で長時間漂います。滞留時間が長くなることで、水中の汚れと接触する機会が増加。少量のオゾンでもしっかりと水中に溶け込み、高い分解能力を発揮します。
マイクロナノバブルには、「自己加圧効果」という物理特性があります。気泡が小さくなるにつれて表面張力が高まり、気泡内部の圧力が上昇。圧力によって気泡が水中で弾ける(圧壊)際、内部に高濃度で閉じ込められていたオゾンが水中に一気に溶け込み、水槽の隅々にまでオゾンが行き渡りやすい酸化環境が構築されます。
オゾンガスと水を効率よく混合し、オゾンマイクロナノバブルを発生・投入する特許取得の専用ノズルです。内部に突起物がない大口径ストレート構造を採用しているため、汚泥や異物による目詰まりのリスクが低く、過酷な排水環境でもメンテナンス頻度を抑えた安定稼働が可能。
通水量に対して約30%もの気体を効率よく水に溶け込ませることができるため、過剰な電力消費を抑え、ランニングコストの削減にもつながります。
酸素発生装置(PSA)を内蔵し、高濃度のオゾンガスを安定的に生成するオリジナル仕様のオゾン発生装置です。YJノズルとの連携を前提に設計されているため、過剰なオゾン出力を抑え、効率的な省エネ稼働を可能にしています。
また、空冷式のため冷却水設備が不要で、メンテナンスの頻度も抑えた設計です。水中に溶け込んだオゾンは時間経過とともに自然に分解されて酸素に戻る性質があるため、残留物による環境負荷も抑えられます。
無数の微細な孔(マイクロポーラス)を持つ、特殊なスポンジ状の生物処理担体(微生物の定着床)です。スポンジの内部には活性炭が練り込まれています。この活性炭が水中のオゾンを酸素に変換してくれるため、内部に住み着いた微生物へ、活動に必要な酸素を絶えず供給することができます。
担体内に酸素が供給されることで、好気性微生物と通性嫌気性微生物の両方が活性化し、食物連鎖が発生。生分解による余剰汚泥の大幅な抑制を実現します。摩耗に強い素材のため、定期的な点検を前提とした上で、長期間にわたる使用が可能なことも特徴です。
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
エンバイロ・ビジョンは、特許技術を用いたマイクロナノバブル技術を活用して、排水・洗浄設備の能力向上など多様な環境ニーズに応える会社です。
発電所、食品工場、化学工場をはじめとした、水質管理基準や導入審査が厳しい国内大手企業様を中心に選ばれており、稼働実績は全国20施設(プラント)※以上(2026年3月時点)にのぼります。
難分解性物質や高濃度油分など、複雑な排水課題に対するサンプルテストにも対応しています
OZACは、「オゾンによる化学的な酸化」と「担体を用いた生物処理」を組み合わせることで、従来の活性汚泥法の課題を補完し、水質の浄化を図ります。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
水槽内に投入されたオゾンマイクロナノバブルが、水中の着色成分、悪臭の原因物質、油分、微生物が分解しにくい難分解性物質の分子結合を破壊(低分子化)。汚れが微生物にとって分解しやすい状態になります。
オゾンは汚れを分解した後、酸素へと変化。この酸素が活性炭含有担体の内部に供給されることで、担体に定着している微生物(バクテリア)が活性化し、オゾンによって低分子化された汚れを生分解します。
微生物でも処理しきれなかった難分解性物質や頑固な色素に対しては、促進酸化(AOP)と呼ばれる処理を行います。
オゾンマイクロナノバブルにUV(紫外線)を照射することで強力な酸化力を持つ「OHラジカル」を発生させ、その作用によって汚れを二酸化炭素と水にまで分解。脱色・殺菌を行って透明で安全な水へと最終処理します。
オゾンの酸化分解力(OHラジカル)と、マイクロナノバブルが弾ける際の圧壊作用。この2つが同時に働くことで、油分や難分解性の有機物といった強固な汚れの分子を分断・低分子化します。そのままでは微生物が処理できない大きさの汚れも、分解しやすい極小サイズに変換されるため、生物処理の効率を高めながら、汚泥の発生そのものを抑えることが可能です。
通常、汚れを食べて増殖した浮遊微生物は余剰汚泥として排出されますが、OZACはバブルの圧壊作用を応用して、増えすぎた浮遊微生物の細胞壁を破壊。砕かれた微生物は、活性炭含有担体に定着している別の微生物の栄養源として再び生分解されます。
この食物連鎖を利用した分解サイクルが水槽内で完結することで、排出する汚泥の量をゼロへと近づけることが可能になります。
促進酸化処理(AOP)の分子破壊作用により、一般的な生物処理や凝集剤のみでは対応が難しいとされるジオキサンなどの水溶性化学物質や、難分解性CODの分解・無害化処理を可能にします。
OZACの大きな特徴は、新たな水槽の建設や大規模な土木工事が不要な点です。現在稼働している調整槽や曝気槽を活かし、システムを後付けで構築できるため、増設スペースを確保する必要がありません。
現在稼働している既存の調整槽や曝気槽にマイクロナノバブル発生装置を沈め、設置したオゾン発生装置と接続してオゾンを供給します。最後に曝気槽へ活性炭含有担体を投入することでシステムの導入が完了。施設の状況にもよりますが、工場の生産ラインを長期間止めることなく、既存設備の処理能力を向上させることができます。
現場の水質や環境ごとに、どの程度の処理効果が得られるかを事前に確認できるよう、実際の排水を用いたデータ検証を実施した上で、導入を検討できる流れとなっています。
処理効果は、実際の排水を用いたサンプルテストで事前に確認できます。処理後の水質は、外部機関による客観的な分析データとともにレポートとして受け取ることができます。導入に向けた社内稟議や、技術的な比較・検討へお役立てください。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。