「BODは基準値内でもCODだけが下がらない」。そうした状況に頭を悩ませる現場は少なくありません。このページでは、CODの低減に向けた3つのアプローチと、既存設備を活用できる次世代の処理システムについて整理します。
排水中のCODを低減させるには、主に3つのアプローチがあります。現場の状況やコストバランスを見極めたうえで、適切な手段を選択することが重要です。
多孔質の活性炭などに水中の有機物を吸着させ、水から分離する方法です。生物処理では分解しきれない難分解性物質や、色素も除去できます。ただし、活性炭の吸着容量には上限があります。飽和のたびに交換が必要となり、交換費用と使用済み活性炭の産廃処理費が継続的に発生します。
既存の生物処理(活性汚泥法)の処理能力を高める方法です。水温やpHの調整、栄養剤の添加、曝気量の最適化により、微生物の働きを維持・改善します。一方で、化学物質や一部の油分など、バクテリアが分解できない難分解性物質がCODの原因である場合、生物処理だけで数値を低減するのは困難です。
オゾンの酸化力を用いて、水中の有機物や難分解性物質を化学的に分解する方法です。生物処理では分解できない成分にも対応できます。活性炭のような交換作業が不要なため、運用コストの抑制につながります。
工場や事業所から河川や海などの公共用水域へ排水する場合、水質汚濁防止法に基づく一律排水基準が適用されます。CODの基準は、1日あたりの平均排出水量が50立方メートル以上の特定事業場に適用され、許容限度は160mg/L、日間平均は120mg/L※です。
BODと同様に、自治体が独自に定める上乗せ基準にも注意が必要です。国の基準より厳しい値が設定されている地域もあるため、自社工場が所在する自治体の基準を確認し、適合する水質までCODを低減する必要があります。
CODの基準値クリアに向けて動き出しても、現場では以下のような問題が立ちはだかるケースが見られます。
化学工場や発電所の排水には、化学物質や難分解性有機物が含まれます。活性汚泥法などの生物処理だけでは対応できない成分が残留し、CODが下がりきらないケースも少なくありません。曝気量を増やしたり栄養剤を追加投入しても、難分解性物質のCODを基準値まで下げきれないことがあります。
活性炭吸着でCODを下げる場合、表面の微細な孔に汚れが詰まることで吸着能力が低下します。吸着が飽和するたびに交換が必要なため、交換費用と使用済み活性炭の産廃処理費が継続的に発生し、ランニングコストを押し上げます。
処理能力の向上が必要でも、工場内は生産設備や配管が密集しており、新たな処理槽を増設するスペースを確保できないのが実情です。大規模な土木工事を伴う水槽の増設は、費用と工期の両面で大きな負担となります。
CODを大幅に改善するには設備改修や水槽の増設が避けられず、長期間の操業停止を余儀なくされます。生産スケジュールへの影響が大きいため、必要性を認識しながらも改善に踏み切れない現場も存在します。
オゾンと微生物を組み合わせ、難分解性のCOD成分を低減する排水処理システムです。大規模な設備増設や長期間の操業停止を伴わず、既存設備を活用した導入が可能。工場排水の厳しい水質基準を、低コスト・短工期・省スペースでクリアします。
従来の活性汚泥法とOZACの処理フロー、運用面における違いについて解説します。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
活性汚泥法で用いられる微生物だけでは難分解性物質を分解できないため、曝気量や栄養剤などで水質環境を整えても、CODは下がりきりません。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
オゾンを微細な気泡(マイクロナノバブル)として水中に長時間滞留させ、溶解効率を高めます。溶解したオゾンが、微生物では処理できない難分解性のCOD成分を酸化分解します。
既存の曝気槽や調整槽を、そのまま反応槽として活用する設計が特徴です。水槽内に専用ノズルを設置し、水槽内部で酸化分解プロセスを完結させます。
オゾンを微細な気泡(マイクロナノバブル)として水中に分散させ、滞留時間を確保します。これにより水への溶解が進み、COD成分を酸化分解。バクテリアが処理できない成分にも対応できます。
微細な孔を持つ活性炭含有担体を投入することで、活性炭がCOD成分を吸着。担体内の微生物が、継続的な分解を行います。オゾンによる酸化と生物分解を組み合わせることで、薬品の大量投入や活性炭の交換、産廃処理にかかるコストを抑えます。
既存の設備にオゾン発生装置やノズルを後付けする構成で、大掛かりな土木工事や水槽の増設は不要。限られたスペースでの導入が可能です。工事期間も短く、生産ラインの中断を抑えながら処理能力の向上を図れます。
高濃度のCODが課題となっていた施設で、既存設備にオゾン処理システムを後付けし、低減に成功した事例を紹介します。
カーボンニュートラル実現に向け、石炭火力発電における木質バイオマスの混焼率を高める取り組みが進められています。しかし、そのプロセスにおいて、バイオマス由来の有機物が灰処理水に溶け出し、高濃度のCODが発生するという新たな課題が存在。
従来であれば大規模な生物処理設備の新設や大量の薬剤投入が必要となる特殊な排水であり、既存設備では処理しきれない状況が続いていました。
省スペースで既存設備に後付けできるOZACを採用。オゾンの酸化分解力を活用したバイオマス排水の実証テストでは、CODを200mg/Lから38.1mg/Lへと低減しました。設備投資を抑え、難分解性の特有排水の低コスト浄化を実現しています。
| 状態 | COD(mg/L) |
|---|---|
| 導入前 | 200 |
| 導入後 | 38.1 |
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
OZACは、エンバイロ・ビジョンが提供するオゾン排水処理システムです。
特許技術のマイクロナノバブルを活用し、排水・洗浄設備の能力向上など多様な環境ニーズに応えるサービスを提供。稼働実績は全国20施設※(プラント)以上(2026年3月時点)にのぼります。
発電所・食品工場・化学工場をはじめとした、水質管理基準や導入審査が厳しい国内大手企業を中心に採用されています。
実際の排水を用いたサンプルテストに対応しています。処理後の水質は、外部機関による客観的な分析データとともにレポートとして確認できます。導入に向けた社内稟議や、技術的な比較・検討へお役立てください。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。