着色排水はBODやCODが基準値を満たしていても、色だけが落ちきらず、放流前に対応を迫られるケースは少なくありません。このページでは、脱色できない原因と、色の成分を分子レベルで分解できる処理方法について解説します。
次亜塩素酸などの塩素系薬剤で発色成分を酸化し、脱色する方法です。水中の有機物と反応し、トリハロメタンなどの副生成物が生じるおそれがあるため、環境保全や放流水質の管理が必要です。
活性炭の微細な孔に、色素成分を吸着させて除去する方法です。脱色効果が得られやすい一方で、活性炭は吸着容量に上限があり、性能を維持するには頻繁な交換が必要となります。新品の活性炭購入費に加え、使用済み活性炭の産業廃棄物処理費も発生するため、ランニングコストを押し上げる要因となります。
色素成分に反応する凝集剤やポリマーを添加し、フロック化して分離する方法です。脱色条件を維持するために薬剤の調整・追加投入が発生しやすく、色素を含む汚泥も増えます。汚泥は産業廃棄物として処分が必要なため、薬品代だけでなく処分費も継続的にかかります。運用負荷とランニングコストが増えやすい処理方法です。
オゾンの酸化作用で、発色成分の分子そのものを壊して除去する方法です。凝集剤で固める・活性炭で吸着させるといった処理と異なり、色の原因を根本から分解するため、薬品投入や汚泥の処分も不要です。
また、既存水槽にオゾン発生装置とノズルを後付けするだけで導入できるため、設備増設のスペースが取れない現場にとっても、現実的な選択肢になります。
凝集沈殿処理は、水中の浮遊物を薬品でフロック(泥の塊)にして沈殿させる方法です。しかし、色素成分が水に溶解している場合、凝集剤を投入しても反応せず、フロックが形成されません。その結果、色素は除去されずに通過してしまいます。
生物処理(活性汚泥法)はバクテリアに汚れを分解させる方法ですが、合成染料やカラメル色素といった発色成分は、バクテリアが分解できない難分解性の物質です。他の有機物が処理されBODの値が改善しても、色は分解されずにそのまま放流されるケースがあります。
活性炭吸着は、色素成分を微細な孔に吸着させて除去する方法ですが、吸着容量に上限があるため、飽和のたびに交換が必要です。交換費用に加え、廃活性炭は産業廃棄物としての処分が必要なため、処分費用も継続的に発生します。脱色効果を維持しようとするほど、ランニングコストが積み上がります。
脱色処理が追いつかない場合、多くの現場ではまず薬品の投入量を増やしたり、活性炭を追加するなどの対応で凌ぎますが、根本的な解決を図ろうとすると、処理設備の増設が必要になります。
設備の増設には土木工事を伴うことが多く、スペースが十分でない場合は工事が大規模になることから、稼働中の工場では操業停止が避けられません。そのため、問題だとわかっていても、処理設備の増設は現実的に難しいのが実情です。
凝集剤で除去できない溶解色素や、活性炭の交換コスト、設置スペース不足といった課題を解決できる、特許技術のオゾン排水処理システムです。既存の水槽にオゾン発生装置とノズルを後付けする構成のため、新たな設備の増設スペースを必要としません。
従来の活性汚泥法とOZACについて、処理の流れと運用面の違いを整理します。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
活性汚泥法は、浮遊物をフロック(泥の塊)にして沈殿させた後に、バクテリアが分解します。
しかし、水に溶解した色素はフロック化せず、沈殿工程を通過。また微生物が分解できない難分解性の発色成分も残留するため、発色成分はそのまま放流されます。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
OZACは、オゾンによる分解とバクテリアによる生物分解を組み合わせた処理方法です。調整槽でオゾンマイクロナノバブルを注入し、難分解性の発色成分を低分子化。続いて、曝気槽内の活性炭含有担体に定着したバクテリアがこれらの成分を分解します。
脱色までの2段階の処理を既存水槽内で完結でき、薬品使用や汚泥発生に伴うコストを抑えます。
微小な泡に閉じ込めたオゾンが発色成分の構造を直接破壊するため、凝集剤では対応できない着色排水も脱色可能です。水に溶解した色素や、バクテリアでは分解できない合成染料が、そのまま放流される課題を解決できます。
オゾンは反応後に酸素へ戻る性質があり、水中に残留しないのが特徴です。そのため、脱色剤や凝集剤などの薬品を継続的に投入する必要がありません。薬品反応に伴う二次的な汚泥(産業廃棄物)も発生せず、「薬剤を入れ続け、泥を引き抜き続ける」という運用の負担を解消できます。
OZACでは、スポンジ状の活性炭含有担体が色素を一時的に吸着し、担体に定着したバクテリアが吸着成分を分解。活性炭の吸着能力を継続的に回復させる、生物再生アプローチが特徴です。活性炭単体での使用に比べると、消耗品の交換サイクルを延ばすことができます。
水槽の増設や、設備の全面入れ替えが不要です。稼働している曝気槽などの水槽をそのまま利用し、オゾン発生装置とノズルを後付けするだけでシステムが完成します。工場の稼働を停止せずに導入でき、省スペースで脱色設備を構築できます。
焼酎廃液(蒸留残渣)は特有の強い茶褐色をしており、高濃度のBODとSSを含んでいます。従来の生物処理単体では色が抜けきらないことが課題でした。
OZACのオゾンマイクロナノバブル処理と生物処理を組み合わせることで、BODとSSを大きく低減させました。着色成分も分解され、透明な水へと浄化することに成功しています。
| 項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| BOD | 23,000 | 13 |
| SS | 5,400 | 13 |
化学工場の製造プロセスから排出される難分解性の廃液は、処理前のCODが9,000mg/Lという高い濃度を示し、クリーム色に白濁した状態でした。

OZACを用いた実証試験では、オゾンマイクロナノバブルによる酸化分解と生物処理を組み合わせ、CODを9,000mg/Lから420mg/Lまで、BODを270mg/Lから21mg/Lまで低減させることに成功しました。異臭も試験直後から気にならなくなり、最終的には無色透明に近い状態まで浄化が進んでいます。

| 項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| BOD | 270 | 21 |
| COD | 9,000 | 420 |
| SS | 120 | 13 |
| 透明度 | クリーム色、濁り(中) | 透明度(中) |
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
OZACは、エンバイロ・ビジョンが提供するオゾン排水処理システムです。
特許技術のマイクロナノバブルを活用し、排水・洗浄設備の能力向上など多様な環境ニーズに応えるサービスを提供。稼働実績は全国20施設※(プラント)以上(2026年3月時点)にのぼります。
発電所・食品工場・化学工場をはじめとした、水質管理基準や導入審査が厳しい国内大手企業を中心に採用されています。
実際の排水を用いたサンプルテストに対応しています。処理後の水質は、外部機関による客観的な分析データとともにレポートとして確認できます。導入に向けた社内稟議や、技術的な比較・検討へお役立てください。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。