工場経営において、利益を圧迫する要因となるのが排水処理のランニングコストです。このページでは、排水処理のコストを押し上げる汚泥処分費、薬品代、電気代の3大コストを整理するとともに、凝集剤などの薬剤に頼らず汚泥の発生を抑えるオゾン排水処理技術について解説します。
いずれも、排水処理を続けるかぎり毎月発生するコストです。
排水処理コストの中で大きな割合を占めるのが、余剰汚泥の引き抜きおよび産廃処分費用です。近年では、最終処分場の不足や燃料費の高騰により、汚泥処理単価が値上がり傾向にあります。処分費が想定を超え、年間の運用予算に影響が出るケースも少なくありません。
水中の汚れや油分を固めて分離させるには、凝集剤が必要です。また、水質を安定させるためのpH調整剤やバルキング対策の殺菌剤など、多岐にわたる薬剤を継続的に投入する必要があります。
これらが、毎月の薬品代として経営を圧迫するうえに、薬品で固めた汚れは汚泥となり、産廃処分費も増加します。
生物処理では、汚れを分解する微生物を死滅させないよう、水中へ継続的に空気を供給する必要があります。空気を送る曝気ブロワは排水がない時間帯も稼働し続けるため、電力消費は避けられません。
汚泥処分費、薬品代、電気代は、汚れを薬品で固めて汚泥として除去する工程や、微生物に空気を供給する処理方式に起因します。設備の部分的な見直しでは、コスト削減に限界があります。
これに対する解決策として現在導入が進んでいるのが、オゾンを用いた処理方式です。オゾンの酸化力で汚れを直接分解するため薬品による凝集が不要になり、汚泥の自己分解サイクルにより産廃の引き抜き量も抑えられます。また、酸素供給の効率化により曝気ブロワの稼働も最適化できるため、薬品代・産廃処分費・電気代の3つを同時に削減できる点が特徴です。
OZACは、オゾンによる分解と生物処理を組み合わせた、次世代型の排水処理システムです。オゾン発生装置とノズルを後付けする構成のため、水槽の増設や設備の全面入れ替えを伴わずに導入できます。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
活性汚泥法では、汚泥処分費・薬品代・電気代の3大コストがすべて発生し続けます。有機物の分解過程で余剰汚泥が発生するうえ、沈降不良対策のための薬品投入が欠かせず、微生物を生かし続けるためには曝気ブロワの連続運転も必要。いずれも、構造上避けられません。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
調整槽でオゾンが汚れを低分子化し、曝気槽で微生物が分解する2段階処理。既存水槽内ですべて完結するため、薬品で固める工程も、汚泥を定期的に引き抜く工程も発生しません。
オゾンを含む微細な気泡(マイクロナノバブル)を水中に分散させることで、オゾンが水中の汚れや化学物質に効率よく接触し、処理時間を短縮します。微生物処理では時間を要する難分解性物質にも対応し、水槽の拡張を伴わずに処理能力を向上させます。
OZACでは、オゾン処理に加え、微細な孔を持つ活性炭含有担体を水槽内で流動させます。担体内部には高濃度の微生物が定着しているため、微生物を浮遊させる活性汚泥法と比べて、単位容積あたりの保持量を高められるのが特徴。限られたスペースでも、高い生物処理能力を維持できます。
OZACは、既存水槽にオゾン発生装置やノズルを後付けする構成です。水槽の増設や土木工事を伴わず、省スペースで導入できます。工事規模を抑えられるため、工期を短縮しやすく、生産ラインの停止を伴わずに導入することが可能です。
オゾンの酸化分解力(OHラジカル)と、マイクロナノバブルが弾ける際の圧壊作用。この2つが同時に働くことで、油分や難分解性の有機物といった強固な汚れの分子を分断・低分子化します。そのままでは微生物が処理できない大きさの汚れも、分解しやすい極小サイズに変換されるため、生物処理の効率を高めながら、汚泥の発生そのものを抑えることが可能です。
通常、汚れを食べて増殖した浮遊微生物は余剰汚泥として排出されますが、OZACはバブルの圧壊作用を応用して、増えすぎた浮遊微生物の細胞壁を破壊。砕かれた微生物は、活性炭含有担体に定着している別の微生物の栄養源として再び生分解されます。
この食物連鎖を利用した分解サイクルが水槽内で完結することで、排出する汚泥の量をゼロへと近づけることが可能になります。
オゾンの力で水中の汚れや油分を分解し、トラブルの原因となる菌を殺菌します。高額な高分子凝集剤や殺菌剤などの薬剤を継続的に投入する必要がなくなり、毎月の薬品代を削減できます。
水槽内で発生する汚泥の発生量を抑え、外部の業者へ委託する引き抜き頻度を大幅に減らすことができます。処理単価が高騰傾向にある産廃処理費用の削減につながります。
水中の汚れを効率よく分解しながら酸素濃度を高められるため、空気を送り込む曝気ブロワの稼働時間を短縮できます。これにより、工場全体の電気代削減につながります。
カーボンニュートラル実現に向け、石炭火力発電における木質バイオマスの混焼率を高める取り組みが進められています。
しかしそのプロセスにおいて、バイオマス由来の有機物が灰処理水に溶け出し、高濃度のCODが発生するという新たな課題が浮上。従来の処理設備では対応しきれず、設備新設や多くの薬剤投入が必要な状況が続いていました。
実際のバイオマス由来の排水を用いた実証テストでは、CODが200mg/Lから38.1mg/Lまで低減。既存水槽をそのまま活用できる省スペース設計が評価され、実機への導入に至っています。現在は発電プロセスへの影響なく既存設備に組み込まれ、難分解性の排水を低コストかつ安定的に処理しています。
| 測定項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| COD | 200 | 38.1 |
食肉加工工場の排水には、血液や細かい肉片、動物性油脂が多く含まれます。従来の生物処理だけでは有機物や油分の負荷が高すぎて処理しきれず、薬品の追加投入も行われていましたが、費用が増加。根本的な解決につながらない状況でした。
既存の曝気槽にOZACを後付け導入したことで、高濃度の有機物や油分を分解できるようになりました。全項目で基準値をクリアしただけでなく、凝集剤などの薬品と汚泥引き抜きも不要となり、ランニングコストの削減を同時に実現しています。
| 測定項目(mg/L) | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| BOD | 500 | 23 |
| COD | 100 | 17 |
| n-Hex | 220 | < 5 |
| SS | 540 | 16 |
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
OZACは、エンバイロ・ビジョンが提供するオゾン排水処理システムです。
特許技術のマイクロナノバブルを活用し、排水・洗浄設備の能力向上など多様な環境ニーズに応えるサービスを提供。稼働実績は全国20施設※(プラント)以上(2026年3月時点)にのぼります。
発電所・食品工場・化学工場をはじめとした、水質管理基準や導入審査が厳しい国内大手企業を中心に採用されています。
実際の排水を用いたサンプルテストに対応しています。処理後の水質は、外部機関による客観的な分析データとともにレポートとして確認できます。導入に向けた社内稟議や、技術的な比較・検討へお役立てください。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。