染色工場の排水処理では、「染料の色が抜けきらない」「界面活性剤や糊剤でCODが下がりにくい」「水温やpHの変動で活性汚泥の管理が難しい」など、染色工場ならではの課題があります。このページでは、染色工場特有の排水課題や、オゾン排水処理システムによる処理について紹介します。
実例を先に確認したい場合は、染色工場の排水を対象としたオゾン排水処理事例へお進みください。
染色工場では、染色・洗浄・仕上げなどの工程から、性質の異なる排水が発生します。一般的には、以下の3つの工程を組み合わせて処理します。
染色工程からは、高温やアルカリ性の排水が発生することがあるため、まず中和や冷却を行い、後段の処理装置に適した水温・pHに調整します。また、工程の切替による水量・水質のばらつきを抑えるため、調整槽で排水を均一化します。工程ごとに水質が変わりやすい染色工場では、前処理で水質を整えることが処理全体の安定につながります。
凝集剤を加えて微細な染料粒子や糊剤成分をフロック化し、沈殿などによって分離します。溶解性の高い染料成分については、活性炭に吸着させて除去する方法もあります。
ただし、染料の種類によっては凝集剤で除去しにくいものもあり、活性炭も吸着能力が落ちれば交換が必要です。薬剤や活性炭にかかるランニングコストがネックになりやすいでしょう。
微生物の働きによって有機物を分解する処理で、CODやBODの低減に広く用いられています。ただし、染色工場では界面活性剤や各種助剤の影響に加えて水質変動も生じやすく、条件によっては活性汚泥の管理が難しくなります。
染色工場では、染料・助剤・糊剤・洗浄剤など、さまざまな成分を含む排水が発生します。既存の排水処理だけでは対応が難しいケースもあるため、ここでは水質管理で生じやすい3つの課題を整理します。
分散染料や反応染料などは、活性汚泥だけでは十分に分解しにくく、処理水に色が残ったまま放流工程に到達するケースがあります。凝集沈殿や活性炭吸着で色度を落とす方法もありますが、薬剤の使用量や活性炭の交換頻度がボトルネックになります。
色度は、放流先の基準や自治体の上乗せ基準に加え、周辺環境への配慮という面でも管理が必要な項目です。
染色工程で使用する界面活性剤・糊剤・分散剤などの助剤は、生物処理でCODを安定して低減しにくくする要因になります。凝集処理でも取り切れず、活性炭の交換頻度が上がっていくため、ランニングコストの負担が膨らみやすいのが懸念点です。
染色工程や仕上げ工程の切替に伴い、排水は日ごと・時間ごとにpH・水温・水量が変動しやすいのが特徴です。急激な水質変動は活性汚泥にダメージを与え、処理性能の低下や汚泥のバルキングにつながります。
調整槽などで変動を吸収しきれない場合は、処理設備だけでなく、運転条件の細かな調整も必要になります。
こうした染色工場特有の排水課題を解決するのが、オゾンの酸化力を活用した排水処理システムです。
メディア監修
引用元:エンバイロ・ビジョン公式HP(https://www.envirovision.jp/)
エンバイロ・ビジョンが提供するオゾン排水処理システムOZAC(オーザック)は、オゾンを微細なマイクロナノバブルに溶け込ませ、水中に長く留まらせる特許技術を用いた排水処理システムです。染料や界面活性剤・糊剤などの難分解性成分をオゾンの酸化力で分解・脱色します。
既存水槽への導入が可能で、大規模施設を中心に全国20施設以上※(2026年3月時点)で採用されています。
中国の染色工場から持ち込まれた実際の染色排水を対象に、オゾンマイクロバブルによる脱色効果を検証した結果を紹介します。既存の水槽構成に近い装置構成で、時間の経過に伴って色度がどのように変化するかを観察しています。
対象となったのは、中国の染色工場から持ち込まれた実際の染色排水。既存の凝集沈殿や活性炭吸着では対応に時間やコストがかかる色度成分に対し、オゾンマイクロバブルの酸化力でどこまで脱色できるかを検証しました。
左から「原水」「1.5時間後」「2.5時間後」「3.5時間後」
実験は、YJノズル(マイクロバブル発生装置)とオゾンガス発生装置を組み合わせた構成で実施。原水から3.5時間後まで段階的に観察したところ、時間の経過とともに色度が低下し、3.5時間後には脱色を確認できました。
凝集剤や活性炭を追加せず、オゾンの酸化力とマイクロバブルを組み合わせた処理だけで脱色が確認されたことから、既存槽への後付けでも脱色対応が可能なことが示されました。
「染料の色が抜けない」「界面活性剤や糊剤でCODが下がりにくい」「水質変動で活性汚泥の管理が難しい」といった染色工場特有の排水課題を、既存水槽のままで解決に導くのが、排水処理システム「OZAC」です。
ここでは従来の活性汚泥法との違いと、導入メリットを解説します。
従来法が主に微生物の働きによって有機物を分解するのに対し、OZACはオゾンによる酸化処理と微生物による生物処理を組み合わせます。微生物処理だけでは対応しにくい染料や助剤成分を、オゾンによって低分子化・分解することで、生物処理を補える点が大きな違いです。
排水処理で活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離がうまくいかなくなる状態のこと。汚泥が処理水に混ざって流出(キャリーオーバー)し、処理水質が悪化します。
水中の有機物を微生物の働きによって分解する仕組みです。染料や界面活性剤、糊剤など、生物処理だけでは分解しにくい成分が残ると、処理水の色や有機物濃度の低減が難しくなる場合があります。
オゾンによる分解(低分子化)
ファインバブル発生装置からオゾンマイクロナノバブルを放出。オゾンの強力な酸化力と、バブルが弾ける際の圧壊作用により、強固な有機物の鎖を微生物が食べやすいサイズにまで低分子化します。
高濃度酸素と
活性炭含有担体による生分解
水中のオゾンが活性炭の触媒反応で高濃度の酸素に変化。この酸素が、活性炭を含有した専用の担体に定着した微生物を極限まで活性化し、低分子化された汚れを生分解します。有害な排オゾンガスが放出されないため、密閉や無害化設備は必要ありません。
AOP+UVによる
完全分解と無色化
曝気槽の後段に促進酸化槽での処理を追加することで、染色工場特有の染料成分や色度のさらなる高度処理が可能になります。生物処理をすり抜けた極小の難分解性物質や色素成分に、オゾンマイクロナノバブルとUV(紫外線)を掛け合わせた促進酸化処理(AOP)を実施。強力な酸化力を持つOHラジカルが、残存する汚れを水と二酸化炭素にまで完全分解します。高度な脱色と殺菌も同時に行い、厳しい放流基準をクリアする無色透明な処理水へと仕上げます。
オゾンとUV(紫外線)を組み合わせた促進酸化処理(AOP)により、微生物では分解できない染料や助剤成分まで分子結合を破壊して分解。凝集剤や活性炭の使用量を抑えながら、既存槽のままで脱色とCOD低減を進められます。
強い酸化力を持つオゾンを微小な気泡(マイクロナノバブル)に含めて水中に滞留させることで、連鎖反応が発生。強力なOHラジカルが生成されます(促進酸化処理:AOP)。
OHラジカルは、活性汚泥では分解しにくい分散染料・反応染料や、界面活性剤・糊剤といった助剤成分の分子結合を直接破壊・切断し、無害な低分子へと分解。同時に、色度成分の脱色も進みます。
水槽内に、微生物の付着基材となるブロック(活性炭含有担体)を流動させます。ブロックに含まれる活性炭が、オゾンで低分子化された汚れを吸着。内部に密集している微生物が、吸着した汚れを効率よく分解します。
担体の構造が微生物を外部環境の変化から守るため、染色工程の切替でpHや温度、水量が動いても、処理能力が落ちにくいのが特長です。水質が動きやすい染色現場と相性のよい仕組みといえるでしょう。
水槽の増設や、全面的な設備の入れ替えは不要。既存の水槽を活用し、オゾン発生装置とノズルを後付けする構成です。工場の稼働を止めずに導入でき、薬剤コストや活性炭の交換頻度を下げつつ、脱色とCODの低減を両立できます。
OZACを提供するエンバイロ・ビジョンでは、実際の排水を用いたサンプルテストに対応しています。処理後の水質は外部機関の分析データとともに提供されるため、導入効果の事前確認や、社内稟議の判断材料として活用できます。
排水サンプルテストは、下記よりお申し込みいただけます。
日本の産業を支える水。しかしその裏側では、終わりのない薬剤投入や高騰する産廃コスト、そしてGX-ETSの義務化が重なり、排水処理は多くの企業にとって無視できない経営課題になりつつあります。
当メディアは、既存設備を活かしながら薬品・汚泥レスを実現する次世代の「オゾン排水処理システム」を、業種ごとの課題と導入事例を通じて伝えていくメディアです。この技術は、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減と企業の成長を両立させる排水処理の転換点になると私たちは考えています。排水処理の常識を変えるこの技術を、一社でも多くの企業に届けていきます。